発送代行の相場はどれくらい?料金の目安とコストを抑える3つのポイントを解説

商品の受注に合わせて自社で倉庫から商品を発送し顧客まで届けるためには、倉庫やそこで働くスタッフ、配送ドライバーなどが必要となります。この配送作業を自社でまかなうのが困難な場合は、専門業者に発送代行を委託することが一つの選択肢となります。

この記事では、

  • 発送代行で任せられる主な業務内容
  • 発送代行の料金相場と費用が変動する要因
  • 相場よりコストを抑えるためのポイント

について、EC事業者・物流担当者の方に向けてわかりやすく解説します。

発送代行ではどんな業務を任せられる?

発送代行サービスには、倉庫から商品を顧客に届ける配送業務のみを委託する3PL(サードパーティ・ロジスティクス)と、配送業務だけでなく受注や決済、商品を届けたあとのカスタマーサポートなども含めた物流関連業務を包括的に委託できるフルフィルメントサービスの2つがあります。

発送代行の料金相場の目安

発送代行の料金相場の目安

発送代行の費用は、主に初期費用、商品の保管料、出荷にかかわる費用、オプション費用の4つで構成されます。それぞれの相場の目安は以下の通りです。

初期費用の相場

初期費用には、入出荷や在庫を管理するシステムの導入費や事務手数料が含まれます。相場としては3万円程度です。

現在の物流システムの多くはクラウド上で管理されているため、システムの導入費そのものが発生しない場合もあります。ただし、システムの利用については料金が継続して発生することが多く、その費用は基本料金などに含まれるのが一般的です。基本料金に何が含まれるのかは業者によって異なるので、事前の確認を忘れずに行いましょう。

保管料の相場

発送代行を利用する場合、商品在庫は業者の倉庫に預けることになりますが、倉庫の使用範囲などに応じて発生するのが保管料です。坪単位・棚単位・パレット単位など、業者よって基準が異なります。目安としては1坪あたり月4,000円~7,000円です。

また、冷凍品や冷蔵品など温度管理を必要とする商品の場合は光熱費が別途加算されるケースもあります。

出荷関連費の相場

倉庫から商品を顧客に届けるには、商品の入庫・検品・ピッキング・梱包・発送といった工程が必要です。これらの費用は、回数や商品の個数に応じて加算される従量費となります。

1回(個)あたりの料金目安は、入庫が10円~100円、検品が10円~30円、ピッキングが10円~30円、梱包が150円~300円、配送が400円~1,500円です。

返品・その他オプション費用の相場

出荷ミスなどによる返品対応・再出荷などはオプション料金となります。また、商品をギフト包装する、のしをつけるなども同様にオプション料金となります。商品に納品書や説明書、チラシなどを同梱する際にもオプション料金が設定されているのが一般的です。

返品対応や再出荷は1個(1回)あたり数十円~数百円となりますが、ギフト包装などのオプション料金は内容によってさまざまです。各業者に確認してみましょう。

発送代行の料金が変動する主な要因

発送代行の料金が変動する主な要因

発送代行を利用する際の費用は一定ではなく、いくつかの要因で変動します。その要因を5つご紹介します。

商品の種類・サイズ・重量

大きい商品は、その分倉庫のスペースが必要になるため、保管料が高くなります。また、重量があるものも費用が高くなります。さらに、大きいものや重いものは梱包時や配送時の負担が大きくなるため、梱包費や配送費も高くなるのが一般的です。

発送件数・繁忙期の有無

商品の届け先が増えれば増えるほど配送の回数や手間も増えるため、費用が高くなります。また、物流の繁忙期となる10月~12月の年末は、配送に関わる費用だけでなく保管料も高くなる傾向にあります。

保管スペース・在庫量

保管料は商品を保管し続ける限り発生するものです。そのため、売れ行きが悪く多くの在庫を抱えてしまっている商品があると、保管料を高くする要因となってしまいます。

梱包形態・特殊対応

段ボールや発泡スチロールなど何に梱包するか、緩衝材や保冷剤は入れる必要があるかなど、梱包の仕方やそれへのオプションによっても費用は変動します。

委託範囲の広さ

物流業務をどこからどこまで外注するかによって料金体系は異なります。倉庫での保管から出荷までといったシンプルな委託なら費用は抑えられますが、返品や返金、カスタマー対応なども委託すれば、その分費用は高くなります。

相場より費用を抑える3つのポイント

相場より費用を抑える3つのポイント

業務の効率化やコストカットのために配送代行を利用する際は、なるべく費用を抑えるために以下の3つのポイントを意識しましょう。

作業の標準化・マニュアル化を行う

委託費は作業の量や種類が増えることで高くなっていきます。商品ごとになるべく梱包の方法を変えず、標準化を行ったりマニュアル化したりして、作業の幅が生まれないようにすることをおすすめします。

出荷数に応じた料金体系を選ぶ

出荷する数が増えれば増えるほど委託費は高くなります。しかし、業者によっては「○個までは△円」というように、1個単位ではなく一定の枠を設け、それを超えるものは別料金になる設定をしているところがあります。自社の出荷数に合った料金体系を設けている業者を選ぶことで、費用はより抑えられます。

物流一括アウトソーシングで効率化を図る

配送業務だけを委託した場合、受注や決済、カスタマーサポートなどは自社で行うことになります。しかし、そのことでかえってコストが高くなったり、業務効率が悪くなったりするケースもあります。その場合は、物流関連業務を一括して委託できるフルフィルメントサービスの利用を検討するとよいでしょう。

発送代行業者を選ぶ際のチェックポイント

発送代行業者を選ぶ際のチェックポイント

発送業務を外注する際には、価格はもちろん、他にも重要なポイントがあります。特に以下のポイントには注意しましょう。

料金だけでなく「品質・柔軟性・実績」で判断

外注する上で、料金は非常に重要です。しかし、配送ミスや遅延、検品ミスが多いなど、配送の品質に問題があっては良い業者とはいえません。商品の保管状態も重要となるので、外注先の倉庫を実際に見学するなど、信頼して自社の商品の保管や配送を任せられるか事前にチェックをすることをおすすめします。

自社商品の取り扱いに強い業者を選ぶ

業者によって得意な分野は異なります。そのため、自社商品のカテゴリーと同じものの保管・配送の実績がある業者を選ぶのがおすすめです。特に、医療品や精密機器など、取り扱いに専門的な注意がいるものを商品としているなら、それらの物流を担った実績が豊富な業者を選ぶのが望ましいでしょう。

繁忙期の増減に対応できるか

物流の繁忙期は、10月~12月の年末です。この時期は、他社もこれまで以上の在庫を業者に預けるケースが増えます。自社の商品を効率的に遅延なく配送するためには、繁忙期でも要望通りに商品の保管や配送を行ってもらえるかの確認が重要となります。

エスプールロジスティクスならコストと品質を両立できる

エスプールロジスティクスならコストと品質を両立できる

エスプールロジスティクスでは、独自のノウハウを基に荷主様の配送状況を丁寧に分析し、荷主様と配送先のどちらにとってもメリットを最大化できるコンサルティングを提案しています。荷主様の物流の最適化のために、拠点の選定、倉庫内レイアウト、導入機器の選定、オペレーション設計などに至るまで、すべて一貫して代行いたします。

もちろん、一部の工程について部分的にご提案したり、現場業務の立ち上げや稼働後の継続運営をサポートさせていただいたりすることも可能です。

設計段階からの提案力と、一社ごとに異なる課題を見つけて改善に導く課題改善・コンサルティング力で、企業における最適なオリジナルロジスティクスをデザインし、最適な運営管理体制を構築します。物流におけるコストダウンや労務の手間の軽減など、物流に関する課題について網羅的に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

発送代行を依頼する際には、費用感の把握をはじめとしたさまざまな注意点があります。しかし、最も重要なことは、自社が委託したい物流業務と相性の良いパートナーを選ぶことです。

ECサイトの事業主にとって、発送代行は欠かせないサービスとなっています。今回の記事を参考に、ぜひ発送代行の利用を検討してみてください。

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エスプールロジスティクス
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フルフィルメントや3PL、越境ECに関する記事を多数執筆。豊富な実績やノウハウを持ったエスプールロジスティクスならではの情報を発信しています。

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