
「大型セールで売上が跳ねるのは嬉しいけれど、その後の出荷作業を考えると胃が痛い……」
成長中のECブランドやD2C事業を牽引されている物流責任者、またはEC事業部長の皆さまから、こうした本音をよく耳にします。楽天スーパーSALEやAmazonプライムデー、あるいはテレビやSNSでの急なメディア露出。こうしたタイミングで一気に押し寄せる注文の「波」を、物流業界では「波動」と呼びます。
注文が殺到すると、本来マーケティングや企画を進めるべき社員までも総出となり梱包作業に追われてしまう。かといって、年数回のピークに合わせて固定の人員を雇い続けるのは、コスト的に到底見合いませんよね。
「出荷遅延によるクレームだけは絶対に避けたい」 「波動のたびに短期アルバイトの手配に奔走するストレスから解放されたい」
この記事では、そんな切実な課題を抱えるEC事業者様に向けて、繁忙期の急激な出荷増に対応するためのノウハウと、柔軟性を味方につけるアウトソーシングの活用法をお伝えします。

EC事業が成長するにつれて、多くの場合日常の出荷件数とセール時の出荷件数のギャップはどんどん開いていきます。通常時は1日100件の出荷でも、大型セール時には1日で数千件の注文が入ることも珍しくありません。
この「EC物流の波動」が厄介なのは、予測が難しく、かつ短期間に作業が集中するという点です。 あらかじめセールのスケジュールが分かっていても、「実際にどれだけ売れるか」を正確に読み切ることは至難の業です。そのため、最適な人員を手配・配置することが難しく、結果として「人手が足りずに残業や休日出勤でカバーする」という力技に頼らざるを得なくなってしまいます。
波動に対する備えが不十分だと、真っ先に直面するのが「出荷遅延」です。 現代のECユーザーは、「ネットで買ったらすぐに届く」ことを当たり前のように期待しています。そのため、少しでも到着が遅れると、クレームやネガティブなレビューに直結しやすいのです。
出荷遅延の対策を怠ることは、目先の利益を逃すだけでなく、これまで築き上げてきたブランドの信頼を一瞬で崩してしまうリスクを孕んでいます。
では、自社出荷の範囲内でこの波動を乗り切るにはどうすればよいのでしょうか。限られたリソースで繁忙期を乗り切るための基本的な対策をいくつかご紹介します。
上記のような人員配置や工夫を凝らしても、ブランドが成長し受注件数が増えれば、いずれ自社スペースやスタッフのキャパシティは限界を迎えます。「発送代行のキャパシティが足りず、委託先からも出荷制限をかけられてしまった」という小規模な代行会社を利用している企業様の声も少なくありません。
そうなった時におすすめしたいのが、「波動に強い」中・大規模な物流アウトソーシングの活用です。
物流を自社で抱える大きな課題は、閑散期であっても倉庫の賃料(固定費)が発生し続ける点や、出荷量の増減に合わせて人員を維持・調整する手間が発生することです。
しかし、アウトソーシングを活用すれば、物流にかかるトータルコストを実際の保管料や出荷量に応じて費用を抑えることができます。 必要な時だけ必要なリソース(場所・人・システム)を提供してくれる柔軟性こそが、物流アウトソーシングの最大の価値といえます。
では、数ある発送代行会社の中から、自社の成長を止めないパートナーをどう選べばよいのでしょうか。
急激な出荷増や今後の事業拡大を見据え、倉庫のスペースや人員確保のネットワークに余裕があるかを確認しましょう。
カートシステムや受注管理システム(OMS)とスムーズにAPI連携できるかどうかが、出荷スピードを左右します。受注から出荷指示までがシームレスに流れる仕組みを持っている代行会社を選びましょう。
もしもの災害時や、東日本・西日本での配送リードタイム短縮を考慮し、複数拠点での出荷対応が可能かどうかも、将来的なスケールアップには欠かせない要素です。
EC物流における「波動」は、事業が成長している証拠でもあります。しかし、その波に飲み込まれてしまい、出荷遅延を起こしたり、社員が疲弊してしまっては本末転倒です。
日々の出荷作業や急な人員手配のストレスを手放し、空いた時間とリソースを「より良い商品づくり」や「売上を伸ばすためのマーケティング」という本来のコア業務に投資してみませんか?
固定費を変動費化し、現在よりも多くの受注件数を滞りなく出荷できる物流体制を築くために。今の自社のキャパシティに不安を感じたら、ぜひ一度、柔軟性に長けた物流アウトソーシングの導入を検討してみてください。
フルフィルメントや3PL、越境ECに関する記事を多数執筆。豊富な実績やノウハウを持ったエスプールロジスティクスならではの情報を発信しています。