ECチャネルの多様化で物流はどう変わる?TikTok Shop時代に考えたい効率的な運営方法

近年、EC市場では、消費者が商品を知り、比較し、購入するまでの流れが大きく変化しています。これまでは検索エンジンやECモールで商品を探し、購入する流れが一般的でしたが、現在ではSNS上の投稿や動画、ライブ配信をきっかけに商品を知り、そのまま購入へ進むケースが増えています。
こうした変化を背景に、SNSとECを組み合わせた「ソーシャルコマース」が注目されています。FacebookやInstagramをはじめ、近年ではTikTok Shop、YouTube Shopping、 Pinterest など、SNSを起点とした新たなECチャネルの活用が広がっています。
これらのチャネルは、広告や検索だけでは届けにくかったユーザーに広く商品を認知してもらえる可能性がある一方で、従来のECとは異なる課題もあります。特に、動画やライブ配信をきっかけに短時間で注文が集中する場合、発送や在庫管理、出荷品質の体制が追いつかないケースも少なくありません。
「注文が突然増えて発送が追いつかなかった」
「在庫更新が間に合わず欠品が発生した」
「出荷が整理できず、誤発送によるクレームが多発した」
こうした課題は、新たなECチャネルを活用する事業者に共通するものです。
この記事では、SNSを活用したECチャネルの一つであるTikTok Shopを取り上げながら、EC事業者が安定して販売機会を活かすために欠かせない物流体制のポイントを、物流現場の視点から解説します。

TikTok Shopとは?

TikTok Shopとは、TikTokアプリ内で商品を販売・購入できるEC機能です。
これまでのECでは、「SNSで商品を知る」→「ECサイトへ移動する」→「購入する」という流れが一般的でした。一方、TikTok Shopでは動画やライブ配信を見ながら、そのまま商品ページへ進み購入できます。
購入までのステップが短くなることで、興味を持ったタイミングを逃さず販売につなげられることが大きな特徴です。
また、クリエイターが商品を紹介するアフィリエイト機能やライブコマースも利用できるため、自社だけで集客するよりも幅広いユーザーへ商品を届けられる可能性があります。
近年ではアパレルやコスメ、食品、日用品など幅広いジャンルで活用が進んでおり、「楽天市場」「Amazon」「自社EC」に続く新たな販売チャネルとして期待されています。
しかし、TikTok Shopで成果を出すためには、動画制作だけでは十分ではありません。注文が増えた際にも安定して商品を届けられる物流体制を整えておくことが重要です。

TikTok Shopは「売れ方」が従来のECと異なる

TikTok Shop特徴として、「売れるタイミングが読みにくい」ことが挙げられます。
楽天市場やAmazonでは、セール期間や広告配信など、ある程度注文数を予測できます。
しかしTikTokでは、一本の動画やライブ配信が突然拡散され、数時間で注文数が何倍にも増えるケースがあります。また、アカウントによってセール内容が異なることも特徴の一つです。
物流センターでは通常、過去の出荷実績をもとに出荷件数予測を立てて、スタッフ配置や梱包資材を準備します。しかしTikTok Shopでは、想定以上の受注が発生すると、

  • 作業が追い付かず、当日出荷ができない
  • 梱包スペースが不足する
  • ミスが多発する

といった問題が起こる可能性があります。
TikTok Shopでは、販売戦略だけではなく、"急に売れても対応できる物流体制"をあらかじめ考えておくことが重要です。

TikTok Shopを始める前に確認したい物流体制

TikTok Shopを運営する際は、「どこで売るか」だけではなく、「どう届けるか」まで設計しておくことが重要です。
特に複数のECチャネルを運営している場合は、在庫管理や出荷フローを見直すことで、販売機会の損失や顧客満足度の低下を防ぎやすくなります。
まず確認したいポイントは次の4つです。

  • 在庫をリアルタイムで管理できるか
  • 急な注文増加にも対応できる人員体制があるか
  • 梱包品質を一定に保てるか
  • 出荷作業に時間を取られ、商品企画や販売促進などの業務を圧迫していないか

これらが十分に整っていない場合、売上が伸びるほど現場の負担も増えてしまいます。
売上が伸びても発送が遅れ、誤出荷が発生すると、レビュー評価やリピート率の低下につながる恐れがあります。

こうした物流体制の整備は、 EC事業を安定して成長させるための重要な基盤と考えることが大切です。

現場でよくある課題① 在庫管理が複雑になる

多くのEC事業者は、自社ECサイトに加え、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなど複数の販売チャネルを運営しています。
販売チャネルごとに在庫を管理している場合、各チャネルの在庫情報をリアルタイムで反映することが難しくなります。その結果、他のチャネルですでに売り切れた商品がTikTok Shopでは販売中のまま表示され、実際の在庫数を超えて注文を受けてしまう可能性があります。
こうした在庫のずれは、欠品や注文キャンセルにつながるだけでなく、購入者への連絡や返金、問い合わせ対応など、運営側の業務負担を増やす原因にもなります。販売機会の損失や顧客満足度の低下を防ぐためにも、受注管理システム(OMS)や倉庫管理システム(WMS)と連携し、すべての販売チャネルの在庫情報を一元管理できる環境を整えることが重要です。

現場でよくある課題② 出荷品質を維持するのが難しい

EC事業では、素早い対応と同時に、出荷品質を維持することも求められます。
配送は早くても、品質が十分でないとクレームや問い合わせにつながる場合があります。
例えば、

  • 商品の入れ間違い
  • 緩衝材不足による破損
  • 納品書の入れ忘れ
  • ギフト包装のミス

といったミスが重なれば、お客様の満足度やショップ評価にかなりの影響が及びます。
物流センターでは、作業手順の標準化やシステム管理などを取り入れながら、出荷品質を一定に保つ仕組みづくりを行っています。
注文数が増えても品質を維持できる体制を整えることが、長く選ばれるショップ運営につながります。

フルフィルメントを活用するメリット

EC担当者にとって、本来注力したい業務に時間を使うためには、物流業務を効率化することも選択肢の一つです。私たちエスプールロジスティクスでは、商品の保管から受注処理、ピッキング、梱包、発送までを一括で対応するフルフィルメントサービスをご提供しています。
発送業務をアウトソーシングすることで、繁忙期の人員や作業スペースの確保に悩まされることなく、EC事業の成長に合わせた物流体制を構築しやすくなります。

自社対応とフルフィルメント活用の比較

○:対応しやすい・メリットが大きい
△:条件や運用方法によって異なる
※OS先倉庫の特徴によって対応可否が分かれる

比較項目 自社対応 フルフィルメント活用
少量の商品を柔軟に発送したい
出荷量の増減に対応したい
梱包方法や同梱物を細かく変更したい
梱包・出荷品質を標準化したい
外部委託費用を抑えたい ○※

※出荷量が少ない場合は自社対応の方が費用を抑えやすい一方、出荷量が増えると、人件費や保管場所、設備などの負担が大きくなる場合があります。

自社対応は、商品の取り扱いや梱包方法を柔軟に変更でき、物流業務を自社で管理しやすい点がメリットです。一方、出荷量が増えると、人員の確保や作業スペース、在庫管理などの負担が大きくなります。
フルフィルメントを活用すると、保管から梱包、発送までを外部に委託できるため、出荷量の変動に対応しやすく、EC担当者が販促や商品企画に集中しやすくなります。ただし、委託費用が発生するほか、特殊な梱包や急な運用変更には対応しにくい場合があります。
そのため、どちらか一方が常に優れているわけではありません。現在の出荷量や今後の事業規模、梱包の自由度、社内の運営体制などを踏まえ、自社に適した物流体制を選ぶことが重要です。

FAQ

Q. TikTok Shopは小規模なEC事業者でも利用できますか?
はい。TikTok Shopは事業規模にかかわらず活用できる販売チャネルです。特に、広告費を大きくかけなくても動画やライブ配信を通じて商品を知ってもらえる可能性があるため、新たな販路として注目されています。
一方で、予想以上に注文が増えた場合は、少人数で発送業務を行っている企業ほど負担が大きくなります。将来的な売上拡大も見据え、物流体制をあらかじめ検討しておくと安心です。

Q. TikTok Shopを始める前に、物流会社へ相談したほうがよいのでしょうか?
すでに物流業務を外部委託している場合は、TikTok Shopの導入前に物流会社へ相談することをおすすめします。
TikTok Shopと倉庫側のシステムを連携できるか、受注データをどのように取り込むか、送り状や納品書などの出荷様式に変更が必要かを事前に確認する必要があります。システム改修や運用ルールの調整に時間がかかる場合もあるため、販売開始日から逆算して準備を進めることが大切です。
こうした対応を整えたうえで、「キャンペーンを予定している」「商品数が増えてきた」「複数のECモールを運営している」といった場合は、出荷体制や在庫管理についても物流会社とあわせて見直しましょう。
物流は、売上や注文数が伸びてから課題が表面化しやすい業務です。早い段階で倉庫との連携方法や出荷体制を整理しておくことで、急な受注増加や欠品、出荷遅延などのリスクを抑えやすくなります。

まとめ

TikTok Shopは、動画やライブ配信を活用して商品を販売できる新しいECチャネルとして注目されています。今後さらに活用が広がり、新たな販売機会の創出も期待されています。
しかし、TikTok Shopで成果を出すためには、集客や販売施策だけでは十分ではありません。商品をスムーズに届けられる物流体制が整っていることで、発送遅延や欠品などのトラブルを防ぎ、顧客満足度の向上にもつながります。
特に、自社ECサイトやECモールと併用して運営する場合は、在庫管理や受注処理、出荷業務を効率化できる仕組みづくりが重要です。
私たちエスプールロジスティクスでは、商品の保管から受注管理、梱包、発送までを一括でサポートするフルフィルメントサービスをご提供しています。TikTok Shopをはじめ、複数の販売チャネルを効率よく運営したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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エスプールロジスティクス
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フルフィルメントや3PL、越境ECに関する記事を多数執筆。豊富な実績やノウハウを持ったエスプールロジスティクスならではの情報を発信しています。

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