
10代~30代の女性を中心に人気のECモール「Qoo10(キューテン)」。既存のECモールとは一線を画す新しいプロモーション方法で多くのユーザーを獲得しています。
この記事では、
をQoo10への出店を検討している方に向けて解説します。
Qoo10は韓国の大手通販サイトから派生した日本向けのECモールで、アメリカ・eBayグループのeBay JAPAN合同会社が運営しています。会員数は2024年時点で2,400万人以上。楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングに次ぐ多さです。ユーザーのメイン層は10~30代で、そのうち女性が約80%を占めており、レディースファッションやコスメ、生活雑貨、健康食品などが多く扱われています。
他のECモールとの大きな違いは、完全成果報酬型であることです。出店料や月額費用は発生せず、販売金額に対してのみ一定の割合で手数料が発生します。また、出店手続きが容易で審査も早く、手続きから販売開始まで約1週間で完了するという点も大きな特徴となっています。楽天市場に出店する場合は約2カ月必要になることと比較すると、いかにスムーズに出店できるかがわかるでしょう。
自社の商材が10~30代の女性向けで、かつ売れ筋のカテゴリーの商品があれば、Qoo10で大きく売り上げを伸ばせる可能性があります。

Qoo10に出店することで期待できるメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
Qoo10はYahoo!やGoogle広告、アフィリエイト広告などを活用し積極的にプロモーションを展開しており、ユーザー数は増加を続けています。Qoo10自体の集客力が高いため、自社商品がユーザーの目に止まるチャンスも増えます。
セールイベントが多いこともQoo10の特徴です。年4回行われる「メガ割」では、セール価格からさらに20%割引のクーポンがユーザーに配布され、大きな売上アップが期待できます。また、20%のポイント還元がある「メガポ」や、ユーザーがレビューを投稿することでポイントがもらえる制度もあります。
さらに、タイムセールや共同購入などユーザーの注目を集めるサイト内の特集ページに数千円単位で商品を掲載できるなど、広告費用を抑えながら露出を増やすことも可能です。
Qoo10は完全成果報酬型のECモールなので、出店の手数料や消費税以外の登録料、月額費用は発生しません。まずは出店してからニーズに合わせた販売戦略を練るといった対策も可能です。

コストパフォーマンス良く出店できるQoo10ですが、使用時の注意点もあります。
月額費用や登録費はかからないものの、売れた商品の金額に対して一定の割合で手数料が発生します。ただし、販売額に対して手数料がかかるのは楽天市場やAmazonも同様です。
メインユーザーは10~30代の女性で、レディースファッションやコスメ、生活雑貨、健康食品などが売れ筋となっています。当然、競合となる商品の出品は多く、露出を増やすために広告費をかけないと差別化が難しい場合があります。
Qoo10はECモールであり、企業や個人は場所を借りて出店している状態です。商品や配達への問い合わせやクレーム、物流体制は、Qoo10が指定するフルフィルメントサービスのQWMSを活用するか、自社で整える、またはその他の物流専門業社に外注する必要があります。

前述のとおり、Qoo10への出店には登録料や月額利用料は発生しませんが、さまざまな手数料が設定されています。主に必要となる費用は、振込手数料、販売手数料、その他の追加手数料の3つです。
振込手数料は売上金を受け取る際に必要な手数料で、1回あたり150円です。
販売手数料は商品カテゴリーによって異なりますが、多くのカテゴリーで6%〜10%となっています。販売手数料は送料と合算された金額に対してかかり、販売手数料に対しては消費税も発生します。例えば、販売手数料が10%とされているレディースファッションカテゴリーで商品5,000円、送料500円の買い物をした場合、(5000円+500円)×10%=550円の販売手数料がかかり、そこに消費税が乗せられるため、550円+55円=605円を支払うことになります。
その他の追加手数料としては、メガ割の対象商品が売れた場合の手数料、海外への発送が必要な場合の手数料、予約販売や後日配送の場合の手数料などがあります。また、販売促進のためにメガ割やキャンペーンに参加する場合は、その費用も別途かかります。

続いて、Qoo10へ出店する方法を、順を追って見ていきましょう。
まず行うのは、出店登録とショップ情報などの入力です。インターネットから簡単に登録できます。
Qoo10では、出店に際して以下の6つが必要になります。
法的身分証明書とは、法人であれば履歴事項全部証明書(3カ月以内に発行されたもの)」、個人事業主であれば個人事業の開設・廃業等届出書、個人ならパスポート、運転免許証(裏と表の両面)、健康保険証のうちいずれか1つのことです。
販売免許情報は、お酒や医薬品、医療機器など、販売に免許が必要なものを取り扱う場合に必要となります。
必要書類を提出したら出店審査が始まります。最短7営業日で完了します。
審査に通過したら、商品ページの作りこみや価格設定など、ショップ開設の準備をします。
準備が整ったら、実際に販売を開始します。

Qoo10では、メインユーザーである10代~30代の女性に需要がある商品を中心に展開することが基本です。売上を伸ばすためには、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
年に4回開催されるメガ割は、ユーザーが最も注目するイベントのひとつです。YouTubeやTikTok、Instagramなど、さまざまなSNSで広告が展開されるため、新規ユーザーも多く参加することが予想されます。メガ割の20%オフクーポンは出店者とQoo10が10%ずつ負担する仕組みのため、1商品ごとの利益は下がりますが、期間中は大幅な利用者増が見込め、新規顧客やリピーターの獲得も期待できます。メガ割をはじめとした各種キャンペーンには積極的に参加するとよいでしょう。
商品ページへの流入を増やすため、予算に合わせて広告機能も積極的に活用することをおすすめします。トップページに24時間2万円でバナーが貼れるQ-Specialプレミアムの他、タイムセール、今日の特価、共同購入などの専用ページに数千円で掲載できる広告も有効に活用しましょう。
キャンペーンや広告を活用して流入を増やしても、商品ページに魅力がなければ購入につながりません。競合の商品との差別化を図るためにも、画像の見せ方や説明文に工夫を凝らすなど、ページを最適化することが重要です。
出店へのハードルが低いQoo10ですが、自社商品の購入者が増え、規模が大きくなってくると、物流や配送の負担も大きくなります。商品が問題なく届くことが当たり前に求められるものであり、配送ミスや商品の不備があれば、クレームはもちろん、顧客満足度や企業イメージの低下にもつながります。
自社で物流を担うことが困難な場合は、物流業務をアウトソーシングすることも検討しましょう。配送だけでなく決済業務や顧客対応、返品対応などにも対応してくれるフルフィルメントサービスの導入も検討してみてください。

ここまで、Qoo10への出店にあたっての費用・手順・メリットを体系的に整理しました。
10代~30代の女性を中心に人気を集めるECモール「Qoo10」は、登録料や月額費用がかからず、最短1週間ほどで出店が完了するため、非常に参入しやすいサービスです。さらに、Qoo10自体が積極的にプロモーションを行っていることから、今後もユーザー数の増加が見込まれます。
自社の商品がQoo10のユーザー層と親和性が高い場合は、ぜひ出店を検討してみましょう。
そして、出店後の運営を安定させるためには、スムーズな物流体制の構築も欠かせません。
エスプールロジスティクスは、多様な物流業務をワンストップで支援し、EC事業者の「在庫管理」「発送代行」「返品処理」といった業務効率化をバックアップしています。国内外のネット通販に対応した物流インフラを持ち、配送のスピード・コスト・品質面を総合的に最適化できる点が強みです。
特にQoo10のようなマルチチャネルECでは、倉庫への商品預け入れ後に、受注から出荷までを自動化・可視化できる仕組みが重要になります。
出店前の準備だけでなく、運営開始後の「物流・配送体制」も成功のカギです。出店準備の一環として、エスプールロジスティクスを含めた物流パートナーの選定・連携設計もぜひご検討ください。
フルフィルメントや3PL、越境ECに関する記事を多数執筆。豊富な実績やノウハウを持ったエスプールロジスティクスならではの情報を発信しています。