流通加工について

流通加工について

流通加工とは

流通加工とは、流通の過程で商品の価値を高めるために施す加工全般を指します。
生鮮食品や繊維品の二次加工、小分け放送、値札付け、鉄鋼やガラスの裁断なども流通加工の一種です。流通加工が施されることによって商品の質を高め、商品を手にした顧客の満足度を上げられます。
商品を消費者に届けるまでのプロセスにおいても欠かせない重要な業務であり、商品を作る生産工場だけでなく、倉庫や物流センター、店舗でも流通加工が行われています。

流通加工の内容は?

流通加工の内容は非常に幅広く、商品によってさまざまな加工が施されます。
検品も流通加工の一部です。商品の検品をして不良品を除外することで、商品、ひいては企業の信頼が保たれます。壊れていないか、傷や汚れがないか、ホツレや色ムラがないか、異臭がしないか、動作に問題がないか、組み合わせや内容が合っているかなど、細かいチェックが必要です。検品して異常があった場合は、補修作業が
入ります。
そして「包装」も大切な流通加工業務です。その際に、説明書やカタログ、カードなど印刷物や物品の「封入」作業もよく発生します。封筒や袋に封をする「封緘」作業も多いです。

ほかにも、種類・量・順番をそろえる「丁合い」、数を確認する「員数」、同じ届け先の商品を一つにまとめる「名寄せ」、値札シールやバーコードなどを貼りつける「貼り」、プライスタグなどを商品に付ける「付け」、電子機器の初期設定などを行う「設計」、陳列什器を組み立てる「組立」、配送するための段ボールや箱に詰める「梱包」、さらには応募はがきなどの「抽選」も流通加工の一種です。
ほかにもさまざまな流通加工があり、流通過程のなかでもかなり大きなウェイトを占めていることがわかります。

物流における流通加工の目的とは

顧客の作業負担を軽減する

流通加工を行って商品の完成度を高めることで、商品を購入した顧客側の作業が減り、よりスムーズな利用をサポートできます。
顧客は商品に期待して購入するので、購入後に面倒な作業が発生すると期待が裏切られたように感じ、満足度が大きく下がります。
顧客の作業負担を軽減することは顧客満足度の向上につながり、リピーター創出につながるのです。
そういった意味では、流通加工は販売促進の一環でもあり、売り上げアップにも貢献しています。

商品の付加価値を高める

同じ商品であっても、簡易包装だけしてあるものと丁寧に梱包されていて説明書がきちんと入っているものでは、顧客が抱く印象は大きく変わります。
丁寧に美しく梱包してあれば、ギフト需要も見込めるでしょう。
物流加工は商品そのものには手を加えませんが、商品の価値を大きく高められる工程なのです。

流通加工で商品の信頼性を高められ、顧客に安心してもらえる

流通加工で商品の信頼性を高められ、顧客に安心してもらえる

流通加工は商品の信頼性を高める作業でもあります。
たとえば、検品ミスにより生まれたたった一つの不良品が口コミの評価を下げ、売り上げを左右することも
あります。
特にAmazonや楽天など巨大なECサイトでは、口コミが売り上げに大きな影響を与えるため、一度のミスが命取りになりかねません。
反対に、流通加工で商品の品質を高く保てれば企業およびブランドの信頼を高めることができ、顧客の安心を勝ち取りやすくなるでしょう。
商品のコモディティ化が進む近年、こうした信頼の蓄積こそが最大の競合優位性となるのではないでしょうか。

流通加工で起こる課題とは

自社で流通加工をしようとすると、ほとんどの企業がコストの壁にぶつかります。
流通加工の内容は多岐にわたるため、多くの人員やスペース、設備が必要になります。
流通加工に投資したことにより最も重要な商品にかけられるリソースが減り、商品力が低下しやすくなるのが課題です。
何よりも大事な商品の質が下がってしまっては本末転倒なので、企業は流通加工を効率化し、コストパフォーマンスを高める必要があります。
コストカットの手段を考えましょう。

流通加工をアウトソーシングするメリット・デメリット

生産から出荷までの一貫体制を持つ企業であれば、流通加工も自社で行うケースが珍しくありませんが、実際には中小企業を中心に流通加工をアウトソーシングしている企業が多数あります。
アウトソーシングの最大のメリットは効率化です。
アウトソーシングしたほうが効率的でコストパフォーマンスが上がり、「低コストで高品質」を
実現しやすくなります。

デメリットとしては、アウトソーシングの際にきちんと情報共有するなど十分な連携ができていないとオペレーションがうまくいかず、品質の悪化を招いてしまうことです。
ただ、流通加工の内容や手順などをきちんと共有し、フィードバックなど定期的な確認作業を行えば
回避できます。
アウトソーシングのコストはかかりますが、自社で行うよりも流通加工コストを抑えられるケースも多いので一概にデメリットとは言い切れません。

まとめ

流通加工は商品の質を上げるために必要な工程であり、手を抜かず行う必要があります。商品のどんな価値を高めたいか、どういった印象を与えたいかによって流通加工の内容は変わるので、まず流通加工の目的を明確にしてから流通加工の内容を決めていくとよいでしょう。
コストなどリソース面の課題があれば、アウトソーシングなどを活用しながらコストカットし、きちんと利益が出せるように試算して計画的に行うことが重要です。

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